ハムレット














To be, or not to be




         このままでいいのか いけないのか




         とどまるべきか 踏み出すべきか




         やるか やらないか













To be, or not to be



         ゆだねるべきか あらがうべきか




         なるようになるのか そうはいかないのか




         果たすべき想いか 手離すべき想いか















To be, or not to be: that is the question:



         このままの日々か そうでない日々か どちらを選べばいい



         守るべきか 攻めるべきか どっちを取る


















To be, or not to be: that is the question:



         このまま生きるか そうはしないか それが問題だ





















たったひとつのフレーズが、これだけの言葉に置き換わる。

To be, or not to be.

これは、今の私たちみんなが抱えている一言ではないでしょうか…




2011年3月11日、東日本に人類の想像を超えた震災が起こりました。

私はこのコラムでこれをやり過ごすことはできませんでした。

明るく美しい夢の台詞を綴りたかったけれど、どうしてもできませんでした。




今を生きている以上、今この時と向かい合わないわけにはいかない。




勇気をもたらす言葉でも元気を呼び起こす言葉でもないけれど、
ありのままの自分で書こう、そう決めたときに、
いつのまにかこの台詞が、耳の奥で響いていました。




そうして、古いノートに、
ハムレット」の別の台詞が書き付けてあったのをみつけました。




どなたの翻訳か…福田恆存先生でしょうか、
不明なままなのですが、
この古典にはこんなに美しい台詞も書かれているのです。








         朝日が 茜色の被衣(かずき)をひろげ


         露を踏み締めながら 東の尾根を越えてくる









いくたびの朝日を迎えるごとに、その光を胸に抱いて、前へ、前へ、少しずつ、
進みましょう。
進みましょう。




To be, or not to be.
迷いながら、立ち止まりながら、善き彼方をめざして、前へ前へ少しずつ、
進みましょう。




希望は、決して手離さないで。










To be, or not to be.


That is the question.




         活きるべきか 活かざるべきか それが 問われているのだ
























劇団離風霊船

山岸諒子ブログ R's voyage