マインド

子どものころ、自分は大きくなったらどんな大人になると思っていただろう。 こういう大人になりたいと、こよなく憧れたロールモデルはいただろうか。 子供時代には万能感がある。 それは実際、お医者さんにも野球選手にも、スチュワーデスにもファッションモ…

SUBJECTION〜閉ざされて  後れ文その2

つらいことは忘れてしまったほうがいいと言う。 それは…本当の本当は、 言ったその人が希望していることなんじゃないのかな。 忘れられずに苦しんでいる姿を見るのがつらいから、 気楽にしていてくれないと、自分も進んでいけないから。 それは愛情からだっ…

SUBJECTION〜閉ざされて  後れ文その1

これは悲しい台詞だ。 10年前の20周年公演の折に、私は母役を演じたが、 子どものようにまっすぐな、この素朴な疑問を投げかけられて、 お腹すかないわけがないじゃない…と思いながら、見えないテーブルを拭いていた。 そのときの自分は、必ず微笑してい…

SUBJECTION

芝居って、なんのためにあるんだろう。 生きるためにどうしても必要なものではないのに。何か事があれば真っ先に削られてしまうようなただの遊興なのに。 なぜ、この長い時間、芝居は世の中から無くならずに来たのだろう。 観るものも、演るものも、なにを求…

閉ざされて

重い出来事は、どこか遠くに置き去りにされる。 それに囚われている限り、ネガの沼から抜け出せないから。 思い出しさえしなければ、 気持ちには平安がもたらされ、日々の暮らしを送っていける。 しかし、見て見ぬふりをして得た安らぎは本物ではない。 だか…

ある日の出来事・続

この台詞を初めて読んだとき、ちょっと、得もいえぬ気持ちになって、思わずうなってしまった。 「クズと認めてしまえば楽になる」という言葉が、 現在(いま)を生きる自分をズドンと撃ち抜いたからだ。 どうせダメになる世の中なら、今くよくよしてもしょう…

ある日の出来事

人はみな、異なる瞳の色で生きている。 それに気づいていない者も多いけれど、 とにかく、その膜をはがすことはなかなか出来ない。 だって、痛いものね。 薔薇色の瞳と灰色のそれとでは、同じ事柄でもまるで違った様相に映ることだろう。 どれか一つに色を決…

さて、何が世界を終わらせるのか

このところ縁あって、 …いや、苦しみから逃れる答えをみつけたくて、この国の戦後史について勉強していた。 日本人は『60年安保』を境に変質してしまったらしい。 敗戦からの15年間は、日本人がもっとも立派で美しい時代だったのだという。 死の恐怖から…

明日があるさ 〜田川家の人々編

四姉妹のお話って、独特のロマンをかきたてられるものがありますよね。 『若草物語』しかり、『細雪』しかり。ハードなところでは、『阿修羅のごとく』という名作もありましたか。 この物語は、亡父の七回忌で鎌倉の実家に集まった、田川家の四姉妹の、 ひと…

STATION 2

お金ってなんでしょうね。 人は何のためにお金を欲しがるのでしょう。 豊かになるため? …豊かさってなに? 言い古された今更な想いだけれど、 私は今、本当にこのことに疑問を感じています。 あれから三ヶ月が経とうとしていますね。 みなさんは今、どうさ…

STATION

公演直前の新作の台詞です。 封印を、少しだけ解きました。 胸にこみ上げる想いは、海よりも深くあふれそうだけれど、 今は、何も申し上げません。 あなたのその耳で、その目で、どうぞ、 確かめてください。 離風霊船 2011年5月公演 大橋泰彦新作 『S…

ハムレット

To be, or not to be このままでいいのか いけないのか とどまるべきか 踏み出すべきか やるか やらないか To be, or not to be ゆだねるべきか あらがうべきか なるようになるのか そうはいかないのか 果たすべき想いか 手離すべき想いか To be, or not to …

赤い鳥逃げた…

1985年。 あなたはおいくつでしたか? 25歳以下の方はまだ生まれていらっしゃらないんですものね、 そんなに経ったことが不思議な気さえします。 あの年は、ずいぶん色んなことがありました。 バブル前夜の喧騒と華やかさに彩られはじめ、日本が確実に…